外壁塗装が重要なのはなぜ? その相場をチェック!
長年住んでいるお家は、大規模修繕を一気にやるのも大切だと思いますが、所々メンテナンスをしながら、家を安全・安心な状態に保っている方が大半なのではないかと考えられます。
その中でも大切なのが、外壁塗装です。
外壁が剥がれていたとしても、家自体が安全なら全然大丈夫なのでは?と思われる方も中にはいらっしゃるのでしょうが、とんでもないです。
外壁の損壊や雨漏りなどが見られる場合、すでに安全面はかなり危険な状態と考えられます。
それでは、外壁塗装の重要性について、その相場や金額について、調べてみましたのでご紹介いたします!
外壁塗装ってどうして必要なの?
外壁塗装は目安でいうと、10年に一度は必要だと言われています。怠ってしまうと、家の安全度が下がるだけではありません。結果として、数年後の修繕に必要以上にお金がかかってしまうこともあり得るのです。ではなぜ外壁塗装が必要なのか。その辺りから、説明していきます。
外壁塗装の目的とは

一番大きな目的は「防水」です。なぜなら、雨などで家の外壁に降ってくる水は、家造りに使われている木材や鉄筋を劣化させてしまう可能性があるからです。
日本は湿気も高いので、「水」への対策を常に意識していないと、大変なことになってきます。雨漏りが起きているような場合は、結構危険な状態で、すぐにでも対処を考えるべきです。
「防水」はもちろんですが、そのほかの目的として「断熱」があります。冬の冷たい風が入らないようにという意味合いもありますが、夏の外気温を入れないためにも断熱は大切です。
また、家の外観をきれいに見せるためにも、外壁塗装は欠かすことができないものです。
外壁塗装を怠ったらどうなる?
前述した通り、外壁塗装が脆くなった場合は、水による被害が起きる可能性が高いです。
では外壁塗装が劣化していく段階についてご説明します。
外壁に艶がなくなる
最初に艶のある塗料を外壁に施していたとしても、数年経つと艶がなくなってきます。見た目が美しくなくなってくるだけはなく、艶がなくなると防水効果も下がってくるのです。外壁に湿気を帯びる
なぜ防水効果が下がるのか。最初は塗料が水を弾いてくれていますが、その力が下がってしまうからです。水を弾きづらくなった外壁には水が溜まってしまったり、湿気を帯びたりするようになります。外壁に小さなヒビが入る
外壁に湿気が帯びると、壁が乾いたときに壁がゆがむという現象が起きることもあります。壁のゆがみが重なると、壁に小さなヒビが生じます。そしてこのヒビから水が侵入するのです。外壁はもともと水を吸い込んでしまう性質があるのですが、塗料がそれをカバーしているのです。ヒビが入ると塗料が薄くなり、そこから水が侵入してくるのです。内部に水が浸透する
ヒビをそのまま放っておくと、さらに水が浸透する可能性が高くなります。防水シートなどでガードするという方法もありますが、それも時間が経てば劣化するので同じことです。水が浸透して劣化する
また、外壁の大きな傷から水が入ると、結露や湿気が大発生。鉄骨やコンクリート、木がどんどん劣化してしまいます。こうしたことは、気をつけていないとどんどん進んでしまいます。10年以上長い年月をかけて、劣化が進んでいると考えても過言ではないでしょう。家の土台まで劣化する
さらに放っておくと家の土台部分や基礎部分にまで影響してしまいます。こうなると、本当に怖いことですね。
劣化もさらに急スピードで進んでしまいます。
外壁塗装を怠った場合、そのほかにどんな影響が?
外壁塗装はそこだけの問題ではないから厄介です。家全体の問題になってくるのです。
それでは、外壁の劣化を放っておいたら、どのような工事が付随してくるのかについて考えていきましょう。
断熱材補修工事
外壁が機能しなくなってしまい、断熱材にまで影響が出てしまった場合の補修工事です。
外壁塗装と別途で、補修が必要となってしまいます。既存の劣化した部分の解体工事まで含めると、なんと60?200万円ほどかかってしまいます。基礎補修工事
外壁塗装をあまりに放っておくと、家の基礎の修繕まで必要となってくることがあります。
家の規模にもよるのですが、50万円以上は絶対かかると言うことを覚悟しておいてください。シロアリ駆除工事
怖いし、想像するだけで気持ちが悪いですが、外壁の劣化をあまりに放っておくと湿気がこもったりして、シロアリの標的となってしまうことがあります。シロアリ駆除は安くて10万円以下、高いと数十万円もしてしまいます。
すでに食われた後の補修費用も別途発生することも覚えておいてください。解体工事
最も悲しい工事です。劣化が進むと家に住むことができなくなってしまいます。さすがに普通に住んでいてここまでにしてしまうことはあまり考えられないですね。それでも空き家にしてしまう期間があったりすると、かなりの劣化が進む場合もあります。
崩れる危険がある場合は絶対に解体工事が必要です。
そして壊すのにお金がいるの!?なんて思うかもしれませんが、もうこれは常識です。
解体工事の場合、木造なら150万円以上、鉄骨の場合はさらに300万円以上する場合も。解体後は住めなくなるので、次の住居のための費用も必要となりますね。
外壁塗装の相場を知ろう!
外壁をほおっておくと危険であり、メリットは一つもないことが、十分にお分かりいただけたかと思います。
それでは外壁塗装を行う場合に、相場はどうなるのでしょうか?
まずは面積の求め方から!
外壁の面積の求め方で一番わかりやすいのは以下の通り。
外壁の面積 = 延べ坪 × 3.3(1坪=3.3m2) × 係数(1.2)

外壁塗装工事の場合、係数は1.2が一般的です。
30坪の場合だったら、
30坪×3.3×1.2=118.8㎡
つまり、外壁は118.8㎡ということになりますね!
外壁塗装に必要な作業や材料
外壁塗装のみを行う場合でも、様々な材料や作業が必要となってきます。
材料費
塗料や養生シートのほか、飛散防止ネット、サイディングボード、シーリング剤など、塗装をするために使用するものが材料となります。全体の割合として20%ほどです。
足場費
塗装工事をしているお家や建物の周囲に、安定した足場をぐるりと組んでいることを見かけることも多いですよね。その足場作りにも費用はもちろんかかります!この割合もだいたい20%です。
人件費
塗装工事を行なってもらうための職人さんに対する必要です。とっても重要です。割合はだいたい30%。ベテランの職人さんが多くなると費用もちょっと高くなります。
その他
交通費や塗装工事の許可のための費用や廃棄物処理の費用など、なんだかんだお金はかかってしまいます。
材料の中でも最も大切なのが塗料!
塗装工事に必要なのは何と言っても塗料です。塗料の違いで、仕上がりもかなり変わってくるので、豆知識として知っておくべきでしょう。塗装した後、どのくらい持つのか?も気になるところだと思うので記しておきます。
アクリル系塗料
1㎡で、1,000〜1,200円です。耐久性は4〜7年あたりです。
30年以上前に普及したもので、1番ランクが低い塗料となります。寿命は短いですが1番のメリットはコスパがいいことです。艶もあり、はっきりとした色が出るのもいいところ。
希釈や攪拌もしやすく、使い勝手が良いそうです。しかし、剥がれやすいという弱点もあり、やはりお値段相当だと言えそうです。ウレタン系塗料
1㎡で、1,800〜2,000円です。耐久性は6〜10年です。
合成樹脂がウレタンのものが主成分となっている塗料のことです。密着性が高く、ひび割れしにくい、木部や細部などにも使えるというメリットがあります。しかし紫外線に弱く変色しやすい、湿度が高いと性能が落ちる、汚れやすいなどのデメリットもあります。シリコン系塗料
1㎡で、2,500〜3,500円で、耐久性は8〜15年。
主成分の合成樹脂がシリコン系の塗料です。耐久性に優れているのでよく使われます。
水性と油性があります。水性の場合、汚れにくく、艶もあり美しく仕上がるうえ、防カビ効果があり、環境にも優しいのです。油性の場合も同じような特徴がありますが、さらに密着度も高く、雨水に強く、アルミ建材やステンレス製品にも塗ることができるのが良いところです。
また、水性、油性を問わず耐熱性にも優れています。フッ素系塗料
1㎡で、3,500〜4,500円/で、耐久性は15〜20年。
フッ素系塗料の1番のメリットはやはり耐久性でしょう。しかし、価格はちょっとお高めです。フッ素といってピンとこない方も、フッ素加工したフライパンと言うと、なんとなくお分りいただけるでしょうか。
フッ素樹脂の技術で開発された塗料であり、寿命の長い塗膜を作ることができるのです。
耐熱性に優れているので紫外線にも強く、親水性があるので外壁が汚れた場合でも雨で流してくれたりします。防カビ性、耐摩耗性にも優れており、艶を維持することができます。
少しお高いのがデメリットですが、生涯リフォーム数のことを考えると、フッ素系塗料を使用しておくことが結局お得なのかもしれません。特殊塗料
1㎡で5,000〜5,500円/で、耐久性は15〜20年。
遮熱などの特殊加工を加えるための塗料です。特殊なのでやっぱりちょっとお値段は高めになってしまいますね。
しかし、耐久年数が高くて質が良い塗料だったとしても、
丁寧な仕事をしてくれない業者だったとしたら意味がありません。
業者選びも慎重にしましょう!
30坪の外壁塗装の細かな費用相場
それでは30坪を基準に解説してまいりましょう!足場と材料についての費用が主体となります。項目を細かく分けてご説明します。
項目 | 面積 × 単価 | 合計 |
---|---|---|
足場 | 118.8×600円 | 71,280円 |
高圧洗浄 | 118.8×200円 | 23,760円 |
飛散防止ネット | 118.8×150円 | 41,580円 |
シーリング:打ち増し | 118.8×750円 | 89,100円 |
下地補修 | − | 20,000円 |
下塗り | 118.8×700円 | 83,160円 |
上記は目安です。きちんとした金額については、業者に問い合わせるのが一番いい方法なので、参考にするだけにしてくださいね。
とはいえ、平均的なお値段なので、もし業者に見積もりをとった場合に、
上記よりも高い金額を言われてしまった場合は、きちんと理由を聞くべきです。
悪徳業者に引っかからないように気をつけてくださいね!
坪数での外壁塗装の費用の差
先ほど30坪を基準に細かな相場の例をあげましたが、それでは坪数によって合計の費用はどのくらい違うのでしょうか。以下に例を示します。
坪数 | 費用 |
---|---|
20坪(79.2㎡) | 50万円以上〜 |
30坪(118.8㎡) | 65万円以上〜 |
40坪(158.4㎡) | 90万円以上〜 |
50坪(198㎡) | 105万円以上〜 |
60坪(237.6㎡) | 125万円以上〜 |
1軒家だと60坪ほどでしょうか。
ご自身のお家の大きさを考慮して、一度は考えておくべきですね。
まとめ
外壁塗装についての概要と相場について、だいたい想像していただけましたでしょうか?
大切なのは常に意識しておくこと。定期的にチェックして、工事が必要かどうかを判断しておくべきです。外壁の劣化は家の全てに関わってくることを、しっかりと覚えておいてくださいね。
少しでも気になることがあれば、まずは業者にご相談ください!