外壁塗装の寿命とは?
外壁は、日ごろ雨・風・紫外線等の刺激から建物を守っています。過酷な環境に長期間さらされるうちに表面が傷み、徐々に劣化が起こります。
少しでも長く、安全に自分の家に住み続けていただくために、外壁メンテナンスのポイントをご紹介いたします。
外壁の種類は、大きく分けると以下の2種類に分かれます。
モルタル外壁の耐用年数
モルタル壁は年月が経って塗装の防水機能が低下することで、次のような劣化症状が発生してきます。
外壁塗装の中塗り・上塗りに使う塗料には機能や特徴・耐久年数といった要素ごとに何種類もあり、一般的には高品質なものほど値段が高くなる傾向です。
サイディングの耐用年数
サイディングもモルタル外壁同様に次のような経年劣化が起こります。
サイディング壁をきれいにするには「塗装」と「張り替え」の2通りがあります。塗装はモルタル外壁のメンテナンスと同様に、壁面を適した塗料でコーティングする施工です。壁面の劣化が激しい場合などはボードそのものの張り替え工事が必要になります。また、サイディングの種類にもよりますが、ボードとボードの継ぎ目の「目地シーリング」の部分はボード部分と比べて寿命が短く、約5年ほどの周期で定期的なメンテナンスをするのがおすすめです。
耐用年数はあくまでも目安
メーカーが耐久性チェックを行うのが、実際の光源、環境とは異なる特定の研究施設内ということも多く、表の年数は、あくまで目安としてのおおまかな耐年数となります。
最近は耐性の強い高品質を謳う塗料や素材も多く出てきていますが、近年増えてきた異常気象の影響なども加味して、外壁の寿命はおよそ10年程と言われます。
外壁を長持ちさせるコツ
こまめな手入れで外壁をいつもきれいにしておくのが長持ちさせる秘訣
塗装面の劣化や気になるキズなどが見つかった場合には、耐用年数に関わらず早めにメンテナンスをして、劣化症状が外壁や建物に届く前に対処するようにします。劣化や傷が生じる原因になるものを、建物からあらかじめ遠ざけておくことも大切です。
きれいな外壁のために気にしておきたい4つのポイント
1. 定期的なメンテナンスを行う
塗装工事のタイミング以外は建物にはまったく手つかず、ということですとどうしても外壁の異常を見落としがちになります。普段から建物の美観に注意を向けることと、何かあった時にいつでも点検やメンテナンスを頼める信頼できる塗装業者さんを見つけておくことが外壁を長持ちさせる第一歩です。
2. 外壁を清浄に保つ
小さな傷やちょっとした塗装面の剥がれが浸水の原因になり、雨漏りや建物全体の大きな損傷につながります。そうならないために、小さな傷みも早めにメンテナンスを行い、いつも清浄に保っておくことが外壁持ちの第一歩です。
3. 建物の周囲の整備
建物の最大の敵は「湿気」です。外壁を少しでも長持ちさせるためには、建物のまわりの通気性を確保して湿気がこもらないようにします。建物の周りに不要な物や植木鉢を並べたりせず、やむを得ず置く場合も定期的に移動させるなどして通気性を保ちましょう。
4. 害虫対策をする
シロアリなど建物を蝕む「害虫」にも注意が必要です。害虫はじめじめした日陰や積み上げられた木材を好むので、湿気への対策と同様に、建物周りを整理して風通し良くし、不要な物を置かないようにしましょう。
見積り時に施工後のメンテナンスや保証について確認しておく
永く使用する建物は、定期点検やメンテナンスが欠かせません。外壁塗装業者さん個々に安心できる保証体制やアフターサービスを整えているので、具体的な内容を見積り時にあわせて確認しておき、比較検討の判断材料として押さえておくと良いでしょう。
外壁メンテナンスのポイント
外壁メンテナンスのポイントについてご説明いたします。
外壁はいくら良い塗装材を使用しても全くメンテナンスが必要ないかというとそうではありません。
それぞれの塗装材で耐久年数は違えど、同じ塗装材でも日常的なメンテナンスによって耐久年数は大きく変わってきます。
少しでも長く、安全に自分の家に住み続けていただくために、外壁メンテナンスのポイントをご紹介いたします。
まずは外壁の種類について、大きく分けると以下の2種類に分かれます。
- ・サイディング
- ・モルタル外壁
また、サイディングの中でも以下の3つに種類が分かれます。
- ・金属系サイディング
- ・窒素系サイディング
- ・木質系サイディング
窒素系サイディングの場合
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・窒素系サイディングの場合は外壁に土や汚れ、埃等がついた場合には早急に
清掃をしていただくのをお勧めします -
・清掃方法は塗膜の面に傷を付けないように雑巾等で水洗いするようにしてください。
過度な散水(5MPa以上)は塗膜面に傷を付けてしまう恐れがあります。
また、散水は上から下へ向けて行ってください。 - ・手の届く範囲の汚れは、あらかじめ全体を水で濡らした後に中性洗剤を使用し雑巾ややわらかいブラシで泡立てながら洗浄してください。その後に洗剤が残らないように改めて雑巾等で水荒らしてきれいに流すようにしてください。
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・また、通常の清掃では落ちにくいカビや藻等の清掃は、市販のカビ落とし材(水溶性)を利用し、水で洗剤を薄めてから局部的な清掃を実施してください。
その際、金属部分等に洗剤が付着すると変色してしまう事もありますので注意しましょう。上記同様、洗剤での清掃後には改めて水洗いできれいに洗剤を落とすようにしてください。
金属系サイディングの場合
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・金属サイディングについた汚れやホコリを、水を使って洗い落として下さい。
その際、柔らかい布やスポンジで軽く擦って洗い流して下さい。
強くこすり過ぎないように注意しましょう。 -
・水洗いで落ちない汚れは、中性洗剤を1〜2%に希釈して洗浄して下さい。布やスポンジに洗剤を含ませて擦ります。
酸性またはアルカリ性洗剤、クレンザーなどの研磨剤入り洗剤は使用しないで下さい。 -
・金属タワシ、ワイヤーブラシなどの硬い材質のブラシは使用しないで下さい。
また、高圧洗浄機も使用しないで下さい。 - ・充分に水洗いをした後、乾いた布で水分を拭きとって下さい。
- ・金属サイディングの表面に、ハシゴや脚立を直接立てかけないで下さい。強い圧力や衝撃がかかると、へこみなどの原因になります。
- ・軒下や庇の下などの、雨水が当たりにくく汚染物質が流れにくい箇所や、過度に汚れが酷い箇所を重点的に洗浄すると効果的です。高所作業となる場合は専門業者への相談をお勧めします。
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・より厳しい環境下にある工業地域や海岸地域などでは、清掃回数を増やして下さい。
汚れの状況に応じて、清掃回数を増やしましょう。 - ・金属サイディング表面の傷の補修は、汚れを落とし水洗いして充分に乾燥した後、補修塗料で補修して下さい。メーカーにより塗装仕様が異なる場合があるので、専門業者にご相談下さい。
木質系サイディングの場合
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・まず、木質サイディング表面についた汚れやホコリを、水を使って洗い落として下さい。
その際、直接水をかけることはせずに、柔らかい布やスポンジに水を含ませ、軽く擦って洗い流して下さい。木は水分を吸収しやすいためです。 -
・水洗いで落ちない汚れは、中性洗剤を1〜2%に希釈して洗浄して下さい。布やスポンジに洗剤を含ませて擦ります。
酸性またはアルカリ性洗剤、クレンザーなどの研磨剤入り洗剤は使用しないで下さい。 - ・金属タワシ、ワイヤーブラシなどの硬い材質のブラシは使用せず、専用のタワシかブラシを使用して下さい。また、高圧洗浄機も使用しないで下さい。
- ・水洗いをした後、乾いた布で充分に水分を拭きとって下さい。木は水分を吸収しやすいので、水分が残ると劣化を速める原因になります。
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・年度の古い木質サイディングだと、木が反ったり浮き上がったりしていることがあります。そういう部分だけ貼り替えます。
木の色が既存部分と貼り替えた部分で異なりますので、濃い色のオイルステインを塗って調整します。 -
・一般的に木製サイディングは、本物の風合いがある反面、こまめなメンテナンスが必要とされます。
普段からホウキで汚れを落とすこと、そして10年毎に塗りなおしをすることが必要です。その際、日光が当たる部分は重ね塗りして下さい。
モルタル外壁の清掃方法
- ・まず最初に、モルタル外壁表面の汚れをかき落とします。ホウキではらってから、専用の布を使って擦り落とします。
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・次に、中性洗剤を1〜2%に希釈したものを、布かタオルなどに染み込ませ、汚れた箇所に塗ります。
数分後に再度タオルなどに中性洗剤を染み込ませて、該当箇所をよく拭いて汚れを落とし、水でよく洗い流します。酸性またはアルカリ性洗剤、クレンザーなどの研磨剤入り洗剤は使用しないで下さい。 - ・高圧水噴射洗浄器を使用すれば、ずっと効果的に汚れを落とせます。その際、電動のものは水量がとても少なく時間がかかるので、圧力の強いエンジン付きのものを使いましょう。この場合洗剤は必要ありません。
- ・狭くて洗浄器が使えない場合は、車の洗車に使うような柔らかいブラシやタワシなどに、中性洗剤を含ませて擦り落としてもよいでしょう。その際力を入れすぎると、塗装を傷つけることになるので、慎重に行なって下さい。また金属タワシ、ワイヤーブラシなどの硬い材質のブラシは使用しないで下さい。
- ・上記の方法でも落ちない汚れを落とそうとすると、モルタル材質を痛めることになるので、その場合はスプレー式の塗料やリシンの吹き付けで対処するべきです。
- ・日当たりの少ない壁面には苔が生えやすいですが、2〜3ヶ月に一度はホースで水をかけるなどして除去して下さい。
外壁メンテナンススケジュールの目安
外壁メンテナンススケジュールの目安
サイディングのメンテナンス方法では以下の4つがあります。
- ①サイディング本体のメンテナンス
- ②サイディングの再塗装
- ③シーリング材の打ち替え
- ④付属部材の再塗装、取り替え
①については、ひび割れ等はUVカットした上でパテ埋めして塗装を補修してください。
②は単色の場合、有色塗料を使用し、多色塗装の場合は透明塗料を使用するようにしてください。
③の部分補修の場合は補修部分の既存シーリングを撤去し打ち替えるようにしてください。全体塗り替えの場合は全体のシーリングを撤去した上で打ち替えしてください。
④で、水切り材のような金属部分が錆びたり剥がれたりした際は再塗装するようにしてください。