塗装工事に足場は必要?
塗装工事には足場が必要不可欠です。
費用が高い割に工事のあとに直接的に残るようなものではないため何とかして足場費用を減らせないかと考える人も多いでしょう。
しかし足場を使わない外壁塗装工事というのは足場を使った時よりも何倍も費用がかかります。
では、外壁塗装工事になぜ足場が必要なのでしょうか。
この記事では足場の必要性や種類、かかる費用についても紹介いたします。
外壁塗装工事に足場が必要な理由
外壁塗装工事に足場が必要な理由は4つあります。
- 職人の安全を確保するため
- 効率化して費用を抑えるため
- 塗料などの飛散を防止するため
- 仕上がりを完璧にするため
各項目について詳しく見ていきましょう。
職人の安全を確保するため
依頼主側が足場を必要とする理由として最初に思いつくのが安全性の面でしょう。
足場があることで職人は危険な行為をしなくても外壁や屋根を塗装することができます。
足場がない状態で屋根に登ったり外壁の高い場所を塗装するとしたら非常に危険な態勢にならざるを得なくなり、職人が怪我をする可能性が高まります。
職人が怪我をするリスクが高いということはその危険性も含めた人件費がかかることを示しています。
そのため足場をかけないで作業するということは通常よりも人件費が高くなる原因となりえるのです。
効率化して費用を抑えるため
足場をかけるメリットの1つに外壁塗装工事の費用を抑えるためというものがあります。
足場費用を無くしたほうがコストカットになるのではと考える人は多いですが、実際には逆です。
足場があることで職人は効率的に作業ができますので足場がない時よりも何倍も早く工事を進められます。
そのため工期が短くなって人件費も安く済むので全体的な費用を下げることができるのです。
外壁塗装工事の費用における人件費の割合は3割〜4割です。一方で足場の費用は全体の1割に満たないでしょう。
足場をかけずに作業を進めた場合の工期は足場をかけた際の2倍以上かかり、人件費も5割は増えるでしょう。
塗料などの飛散を防止するため
足場をかけると塗料などの飛散防止シートをつけることができます。
このシートをつけないで作業する塗装業者はいません。なぜなら塗料が周囲に飛散してしまうと賠償責任が発生するからです。
もし飛散防止シートをつけないのだとしたら賠償費用まで工事費に含まれてしまいますので費用が30万円以上は増えることでしょう。
また足場を組まずに飛散防止シートをつけるとしたらかなり難しいですので、結局のところ足場を組むのが一番安いという結論になります。
仕上がりを完璧にするため
足場を組むことによって職人は万全の態勢で外壁塗装を行えます。
塗装というのは意外と難しく、素人が塗ると必ず塗り漏らしを起こします。
特に凹凸の激しい外壁だった場合は上から見たら完璧なのに下から見たら塗り漏らしばかりということが頻繁に起こりえます。
これを防ぐためにプロは上下左右どの角度から見ても完璧に見えるように塗ることができます。
しかしこれも足場が完璧な状態であることが前提です。
もしも足場が不安定で外壁を上からしか見られなかった場合、下からどのように見えるかがわからず塗り漏らしが発生する可能性があるのです。
足場の種類と費用
外壁塗装工事で使用する足場には4種類があります。
足場の種類 | 1㎡単価の目安 | 30坪の目安額 |
---|---|---|
単管 | 600円〜800円 | 7万円〜10万円 |
単管ブラケット | 700円〜1,000円 | 8万円〜12万円 |
枠組み | 1,000円〜1,500円 | 12万円〜18万円 |
くさび式(ビケ足場) | 1,000円〜1,200円 | 12万円〜14万円 |
単管足場
その名の通り「単管」という1本のパイプによって構成される足場です。
最も安いですが足場が不安定すぎるので基本的にメインにすることはありません。
他の足場が設置できないようなときに使用する程度です。
単管ブラケット足場
単管に「ブラケット」と呼ばれる固定器具をつける足場の作り方です。
安全性などの面からも単管足場よりは安定していますが近年では使われることは少なくなっています。
枠組み足場
主に高層マンションなどで使われていて門型の足場を組むタイプです。
非常に安定性が高いですが費用がかかるため個人住宅で使うことはあまりありません。
くさび式(ビケ)足場
足場が不安定では職人は十分な効率化ができませんのでコストを抑えつつ最も効率的に仕事ができるのがくさび式足場です。
安定性とコストパフォーマンスに優れているため住宅外壁塗装の場合には多くがこのくさび式足場を利用しています。
基本的には足場の種類は業者がコストや安全性を考慮して最適なものを選ぶので、あなたが指定する必要はありません。
逆に住宅に合わない足場をあなたが選んでしまうと他の部分で費用が増してしまいますので口出ししないほうが良いでしょう。
足場費用が無料になる業者はほぼ悪質業者
基本的に2メートルを超える高さの作業の場合には足場の設置が必要です。このため外壁塗装工事に関しては足場が不要ということはほとんどないのですが、たまに足場の費用を無料にする業者がいます。
これはほぼ間違いなく悪質業者です。
足場というのは専門の資格と技術がなければ組み立てることができません。
そのため塗装会社が自社で住宅塗装の足場を組み立てられるということはほとんどありません。
塗装会社は足場の組み立てを専門会社に依頼しているため必ず工事費用に加えてきます。
ここを無料にしてしまうと会社としては赤字となってしまうので足場費用を無料にする業者というのはかなり怪しいのです。
基本的に足場費用を無料にしている場合は他の部分で高額な請求をしています。
最終的にはぼったくり価格になっていることも多いため足場費用を無料にするような業者は避けましょう。
まとめ
外壁塗装工事をするのであれば足場の組立ては必須条件です。
もし足場の組立てを行わないで工事をした場合、職人が落ちるリスクや作業の非効率により工事費用は足場があった時以上にかかるでしょう。
職人の安全だけではなく完璧な仕上がりの外壁塗装をしたり、効率化してコストを抑えるために必要なのが足場です。
外壁塗装工事の費用を抑えるために足場は無くてはならないものと考えておきましょう。