窯業系のサイディングは塗替えは不必要ですか？
□窯業系サイディングボードは定期的な塗り替え・目地の打ち替えといったメンテナンスが必要です。
◆窯業系サイディングボードの塗り替え
窯業系サイディングボードについては、サイディングメーカーでは一般塗装品の場合7～8年での塗り替えを推奨しています。建物の立地や環境により劣化の速度は異なりますが、目安としてはこれくらいになります。
サイディングボードは主に上に塗る塗料の塗膜によって防水性を持たせているため、塗装が劣化してしまうと防水性が低下し、サイディングボード自体の寿命を縮めることになります。
◆窯業系サイディングボードの目地の打ち替え
またサイディングボードの目地部分についても定期的に点検し、状況に応じて打ち替えが必要です。
サイディングボードの目地には防水の為にシーリング材が充填されています。
シーリング材は、紫外線などの影響で徐々に劣化し、柔軟性が失われることで亀裂が生じたり、また温度変化による建物の伸縮によって剥がれが生じたりします。
こうした状態ではシーリングの防水性能が失われ、サイディングボードの内部へ水が浸入し、サイディングボードの寿命が短くなってしまいます。
□新築時のサイディングボードの塗膜は劣化が早い
窯業系のサイディングボードには工場塗で塗装されたものと、建築現場で塗装する無塗装板と呼ばれるものがあります。
窯業系サイディングの模様は工業用のインクジェトプリンターなどで着色しているものが多くなっています。
新築時のサイディングボードについては、特別に高耐久の塗装で仕上げたものを指定しない限り、工場塗装品でも現場で塗装したものでも、どちらの塗装も6～7年で塗り替えが必要な状態になります
□窯業系サイディングボードとは
サイディングボードには様々な種類がありますが、建物の外壁に最も多く使われているのが窯業系サイディングボードです。
窯業系サイディングは、JIS A 5422の｢窯業系サイディング｣に準拠してつくられています。
窯業系サイディングボードの材質については以下のものがあります。
・木繊維補強セメント板系…セメントなどの無機結合材を、木繊維または木片を用いて補強したもの
・繊維補強セメント板系…セメントなどの無機結合材を、無機質・有機質繊維を用いて補強したもの
・繊維補強セメント・けい酸カルシウム板系…セメントやけい酸カルシウムなどの無機結合材を、無機質・有機質繊維で補強したもの
□窯業系サイディングボードの塗り替え時期の見極め
窯業系サイディングボードの塗装面にチョーキング（手で触れると白い粉がつく）がある場合は塗膜の劣化が起きている状態です。少量であれば問題ありませんが、かなり白い粉がつく場合は再塗装が必要となります。
サイディングボードは上に塗ってある塗膜が劣化するとボードが吸水してしまい、ひび割れや膨れ、反りなどの原因にもなります。
塗装が劣化してサイディングボードが吸水してしまうと元の形に戻ることはないため、窯業系サイディングボードについては劣化が進行する前の塗り替えが必要になります。
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