見積書のチェックの方法と気をつけるべきポイントを教えて下さい。
□理想的な見積書
理想的な見積書とは、各工程ごとに作業名が記されており、また単位、単価、数量について明確に記載があるものになります。
見積書の具体的なチェック方法には以下のようなポイントがあります。
□見積書のチェック項目
◆○○工事一式という記載に注意
見積書に○○工事一式記載があった場合には一式の内訳を具体的に書面にて提示してもらうことが大切です。
抽象的な表現ではお互いの認識のずれが生じやすく、後のトラブルの元にもなりかねないため具体的に記載を求めることが大切になります。
◆塗料のメーカー名、塗料名が明記されている
シリコン系塗料など大まかな記載ではなく、塗料のメーカー名と商品名の具体的な記載を求めましょう。
塗料名を具体的に記載しない塗装業者ですと、性能の低い塗料を使う可能性も否定できないため要注意です。
また商品名などの具体的な記載があれば、インターネットで調べるなどして耐久性などの性能や価格を確認することが可能になります。
◆塗装部位、塗装回数、塗料の数量が記載されている
外壁、屋根、下塗り、上塗りのように塗装部位や塗装工程・塗装回数が記載されていることを確認しましょう。
また塗料の数量など細かい部分の数量の確認が重要です。
◆高圧洗浄や下地処理について明記されている
塗装前の高圧洗浄や下地処理などは塗装の耐久性などの性能を左右する重要な工程になります。
しかし塗装をしてしまえば表面的には分からなくなってしまう工程でもあり、この工程の記載がない場合は最悪の場合この工程を省くといった場合も考えられるため、高圧洗浄や下地処理についてはきちんと記載を求めましょう。
また高圧洗浄などを行った後、見積もり額以上に補修が必要な箇所が発見される場合もあります。
補修が必要な箇所が後に多く見つかった場合には追加の費用が必要になることがあります。
もちろん契約によっては追加費用なしという契約も中にはありますが、追加費用が発生する契約である場合、見積もりの段階でこうした追加費用の可能性を具体的に説明する業者は優良な施工業者である可能性が高いとも言えます。
◆足場や養生の項目がある
足場組み、足場払い、飛散ネット養生シートなどの記載を確認しましょう。
足場については足場を組まない無足場工法を用いる場合もありますので、記載がない場合は施工業者に確認しましょう。
◆施工日程の記載がある
施工日数の記載があることを確認しましょう。
雨の日や湿度が高い日など施工に支障が出る日が出ることを考え、通常は2~3日余裕を持って施工日数を確保することが多いようです。
外壁や屋根の状態にもよりますが、一般の住宅については工期が1~2週間となることが多いようです。
◆保証の記載がある
塗装部位ごとに保証年数や保証方法の具体的な記載があることを確認しましょう。
◆廃材処理費についての記載がある
塗装の際には塗料の缶やその他の廃材が発生します。
事業者は無料で廃材を捨てることができないため、廃材処理費は塗装の施工費に上乗せされることとなります。
見積書にこの廃材処理費が記載されている施工業者は優良業者である可能性が高いといえます。
しかし廃材処理費については塗装料金に含める見積もり方法もあるようです。もし気になる場合は確認しましょう。
本来は廃材処理と塗装とは別の工程であるため、見積書では項目を分けるのが理想的ではあります。
◆見積もりに対する説明を受ける
見積書を出してもらった後は、契約前に必ず見積書の内容について説明を受けることが大切です。
施工業者に説明を受けることでお互いの認識のずれを洗い出すことができ、より満足度の高い塗装工事が可能になります。
また疑問点については見積もりの段階で施工業者に確認し、解決しておくことも大切です。
また要望した内容が見積書に盛り込まれているかも十分に確認しましょう。
□見積書の塗装面積は会社によって異なります
複数の塗装業者に見積もりを依頼した場合、外壁や屋根の塗装面積が塗装業者によって異なることがしばしばあります。
極端に面積が違わない限り、塗装業者による塗装面積の違いついては気にしなくても問題ない場合が多いようです。
複数会社に見積もりを依頼し、見積書がそろった時点で面積を見比べて、差が数十㎡あるなど違いが大きい場合については詳しく内容を聞いてみるようにするとよいでしょう。
◆塗装面積の測り方は塗装業者によって違う
見積もりの際は建築図面をもとに塗装する外壁の面積を算出したり、また現地調査を行いながら塗装する箇所の面積を測るなど塗装会社により測り方はまちまちです。
建築図面で面積を割り出す場合も、実際の建築物と面積が一致しないこともあるため正確な面積を割り出すことは難しいと言えます。
屋根の面積については勾配の角度から割り出しますが、勾配の角度が正確に測りにくい場合もあり、そうした場合は施工業者の経験から面積を算出する場合が多いようです。
◆塗装面積の違いは気にしなくて良い場合が多い
外壁や屋根の塗装については、塗料の価格より人件費や手間代の方が施工費を占める割合が高いため、塗装面積の些細な違いについては塗装作業に掛かる日数に違いがない程度であればあまり金額に差は出ません。
例えば同じ大きさの建物で窓がたくさんある家と窓がほとんどない家があった場合、窓のほとんどない家の方が塗装面積が多いため見積もり金額が高くなると思いがちですが、実際の見積もり金額としてはあまり差が出ません。それは窓の数が多い場合、塗装する面積は少なくなっても養生を行ったり細かい部分の塗装が増えたりと手間と時間が掛かるためです
。
また同じ大きさの家でも下地の劣化具合や作業スペースの有無など作業する上での問題点が多ければその分手間が掛かるため、作業上の問題点の多い家のほうが見積もり金額がやや高くなります。
自宅の塗装について、作業上の問題点がどの程度のものであるかを施工業者に確認されるのも良いでしょう。
◆外壁以外の部分をどこまで塗装するかを確認することが重要
見積書の塗装面積で確認すべき点は、外壁以外の付帯部分についてどの程度見積もりに載っているかという点になります。
付帯部分としては窓枠や軒天、雨樋、雨戸など様々なものがあります。
たとえば見積書でA社の木部塗装面積が60㎡、B社の木部塗装面積が80㎡だった場合、A社の見積もりではどの付帯部分の木部の塗装が含まれているのかを明確にする必要があります。
外壁塗装については、依頼主側は外壁以外の付帯部分も全て塗装してもらえると思っていても、施工業者としてはその部分については塗装をしない方針であったり、また依頼主側は必要ないと思っている部分の塗装について施工業者側は塗装する方針であったりというケースがあります。
どの部分まで塗装を行うかという点は、見積もりの段階でお互いに明確にしておくことが重要になります。
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