アクリル塗料
□アクリル塗料とは
アクリル塗料とは塗料の主成分である合成樹脂がアクリル系である塗料のことを指します。アクリル樹脂塗料とも言います。
アクリル塗料は約15年前に登場しました。
最も安価な塗料であり施工性にも優れていますが、耐候年数は6~8年程度と短くこまめなメンテナンスが必要であり、また他の塗料に比べ透湿性(湿気を通す性質)が高いため外壁塗装に向かないとされる面もあり、現在では塗り替えにはあまり使用されないようです。
しかし新築時の、特にモルタル壁には現在もアクリル樹脂塗料が使われることが多いようです。
また軒天井などの湿気が滞留しやすい箇所や、建物内部の塗装、湿気の影響が気になる箇所への塗装には向いているとされています。
□外壁塗装でアクリル樹脂塗料が用いられる例
・湿気が停留しやすい場所の塗装
天井部分には湿気が滞留しやすいため、防水性や透湿性の高い塗料を用いると塗装の膨れや剥がれなどが起きやすい場所でもあります。そのため軒天井などはアクリル塗料などの透湿性のある塗料を塗装した方が良い場合もあります。
・新築時の外壁
新築の建物はある程度の期間は伸縮して動きます。外壁の材質によって程度は異なりますが、一般的にこの期間は外壁の塗装にひび割れなどが生じやすく、最初からグレードの高い良い塗料を使用するのはもったいない場合もあります。そのため新築の建物には現在もよくアクリル塗料が選択されます。
新築住宅の販売価格をできるだけ安く抑えたいというハウスメーカーの思惑あると考えられますが、新築時にアクリル塗料で塗装を行うことは理に適っていると言えます。
□アクリル塗料のまとめ
アクリル塗料のメリットは、塗料の価格が安いという点です。
しかし外壁塗装工事の場合、工事代金は足場・人件費・交通費・塗料代などさまざまな費用の合算となり、工事の総額からすると塗料代は一部であるため、耐候年数を考慮に入れると塗り替えには他の塗料を使用する方がコスト面に優れる場合も多くあります。
アクリル塗料は新築の外壁や、湿気が停留しやすい部分の塗装、また店舗などこまめに塗り替えを行う場合や、とりあえず色を変えたい場合、費用を少しでも安くしたいという場合には向く塗料と言えます。
□代表的アクリル塗料の商品名
・ニュートップレスクリーン(エスケー化研)
・セラミクリーン(エスケー化研)
・DANシリコンセラ(日本ペイント)
・アレスアクアビルド(関西ペイント)