アクリル樹脂(―樹脂)
□アクリル樹脂とは
アクリル樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルを主成分とする高分子化合物の総称です。
アクリル酸およびその誘導体の重合で作られる熱可塑性の合成樹脂です。
一般にアクリル樹脂は有機ガラスとして知られるメタクリル酸メチル樹脂のことを指します。
アクリル樹脂はMMAモノマーに重合開始剤や熱を加えて化学反応によって作られるプラスチック樹脂の1つであり、メタクリル樹脂と呼ばれることもあります。
◆MMAモノマーについて
・MMA(メチルメタクリレート)とは、アクリル樹脂系の材料であり、日本ではメタクリル酸メチルと呼ばれています。分子式はCH2=C(CH3)CO2CH3です。
・モノマーとは単分子のことで、モノマーが重合して繋がるとポリマー(重合体、または高分子)となります。
またポリマーより繋がる分子数が少ないものをオリゴマーと呼ぶことがあります。
MMAモノマーに重合開始剤や熱を加えるとモノマー(単分子)がポリマー(重合体)となります。
こうしてMMAモノマーが重合してポリマーとなったものがアクリル樹脂(PMMA)です。
アクリル板はこのアクリル樹脂が板状になったものです。
□アクリル樹脂の特徴
アクリル樹脂(メタクリル酸メチル樹脂)は特徴は透明度の高さです。無色透明で加工性や着色性に優れ、酸やアルカリなどに比較的強く、軽くて丈夫で耐候性も高い物質です。
特に透明性は通常知られている樹脂の中最も高く、かつ屈折率も大きいことで知られています。
□アクリル樹脂の用途
アクリル樹脂(メタクリル酸メチル樹脂)は無機ガラスに比べても耐久性があり、また安全性が高く加工も容易であることから高く評価されており、塗料、接着剤の原材料に利用されているほか、照明、看板・広告用材料、自動車・航空機の窓ガラス、光通信用ファイバー繊維、水族館の透明な窓、携帯電話の表示窓、液晶ディスプレイ(LCD)用バックライトの導光板など様々なものに利用されています。