アク止め
□アク止めとは
◆アク
・木材へ塗装後、数日たって塗装の表面に部分的にできるシミや黄変などのことをアクと呼びます。
・アクは、外部の水分や湿気が木材内部の水溶性のアク成分を溶かし、それが表面に移行することで現れます。
そのため、水系塗料を木材に塗布した場合にはアクが出る危険性が高まります。
逆に木材に溶剤系塗料を塗布した場合では比較的アクは出にくくなります。
・アクは木材の種類によっても出やすいものがあり、特に広葉樹(オーク、ナラなど)やベニヤ、合板などに塗装する際はアクが出やすく注意が必要です。
ベニヤは天然の木材を薄く剥いで接着剤で重ねたものであるため、塗装をしなくても長期間経つとアクが出ることがあります。
◆アク止め
アク止めとは、アクが塗膜表面に現れるのを防ぐことです。
それぞれの仕上げ塗料に応じてアク止めシーラーなどの下地材があるため、塗装前に下地として塗ることでによってトラブルを回避できます。
□アク止めシーラーの使用例
◆ベニヤを珪藻土の塗料で仕上げたい場合
ベニヤはアクの出やすい木材です。
珪藻土は水系塗料であり、また調湿性が特徴の塗料であるためシール性が乏しく、そもそも下地からのアクを抑える力は弱いと言えます。
このためベニヤに水系の珪藻土の塗料を何層塗り重ねても、ベニヤのアク成分を水系塗料の水で溶かし、乾燥する際にアクが表面に運ばれることになります。
こうした場合はベニヤの全面にアク止めシーラーを塗ってアクを抑えるのが効果的と言えます。
アク止めシーラーを塗る際は、ベニアの素地に直接塗るとアク止め効果が最も得られるようです。