エフロエッセンス
□エフロエッセンスとは
エフロエッセンスとは白華現象のことです。
白華(はっか)とは、コンクリートやモルタルの表面部分に浮き出る白い生成物のことで、これが浮き上がる現象を白華現象(エフロレッセンス)といいます
□エフロエッセンスの原因
エフロエッセンスの原因としては2つあります。
・一次白華…コンクリートやモルタルの内部に存在する水分が、元々コンクリート内に存在する石灰分などの可溶性物質とともに表面に染み出し、水分が蒸発するすことで白く固まります。打ち放しコンクリートの壁面などに見られます。
・二次白華…外部からコンクリートやモルタルの表層部に侵入した水分がコンクリート表面を移動する際に、コンクリート中の可溶性物質が表面に移動し、二酸化炭素と反応して綿状やつらら状に固まります。
エフロエッセンスは、酸性雨が主な要因とされることもありますが、原因は様々であるとも言われています。
コンクリートが固まる際の水分量、骨材、混和剤なども関係していると考えられています。
エフロエッセンスは乾湿の差が大きい南側に生じやすく、また気温の低い冬季に進行しやすいという特徴があります。
□エフロエッセンスが構造物へ及ぼす影響
エフロレッセンス自体はコンクリートなどの耐久性に影響を与えるものではありません。
しかしエフロレッセンスが発生すると美観が損なわれます。
エフロエッセンスが発生した場所にクラック(ひび割れ)がある場合は鉄筋など内部の鋼材に腐食が起こることにも繋がるため、長い目で見ると耐久性の低下を招くことになります。
繰返し荷重を受ける場所では、エフロレッセンスが確認されたひび割れ部では構造物の耐久性低下の進行が速いとも言われています。
□エフロエッセンスへの対策
エフロエッセンスへの対策としては、まずは美観を回復するための対策があります。
タイルの目地などに生じた小規模ものは削ったり、塩酸を含むトイレ用洗剤などで落とします。
外壁などにはクエン酸を主成分とした洗浄剤があります。
また、繰返し荷重がかかる場所にひび割れが発生し、雨水などの浸透によってエフロレッセンスが発生している場合には、まず構造物の荷重に対する性能の回復が主な対策となります。
水密性が求められる構造物においては漏水を止める対策が必要です。
こうした対策と合わせて美観の回復も行います。
□エフロエッセンスの成分
エフロレッセンスは水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、アルカリ炭酸塩、アルカリ硫酸塩などから構成されることが多いようです。
エフロエッセンスが白いのは、構成しているこれらの物質が微細な粒子であるために光の屈折・反射で白色に見えるためです。
エフロエッセンスは周辺環境から供給される物質も含むため、鋼材腐食を伴っている場合は明褐色のエフロレッセンスとなっている場合もあるなど、周辺環境によって色が変わる場合もあります。