エマルションペイント
外装・内装で利用される塗料は、液体中に混じりあわない他の液体が微細粒子の状態で均一に分散し乳化したエマルションの形をとっているものも多くのあります。特に内装で用いる塗料はエマルションタイプが多いようです。
・水性エマルション塗料…塗料の主成分である油や樹脂を水に分散させた塗料。水性塗料の多くは水の中に樹脂が分散している状態(水中油型エマルション)です。
・溶剤系エマルション塗料…塗料の主成分である油や樹脂を有機溶剤に分散させた塗料(非水分散型塗料=NAD塗料)。一般的には水と油を混ぜることが多いエマルションですが、塗料では有機溶剤(シンナー)に樹脂を分散させたエマルションもあります。
現在は溶剤系エマルション塗料は少なく、エマルションペイントとは水性エマルション塗料の合成樹脂エマルションペイントを指すことが多くなっています。
□エマルションペイントとは
エマルションペイントとは水性エマルション塗料の合成樹脂エマルションペイントを指すことが多いです。合成樹脂エマルションペイントは「EP」とも呼ばれます。
有機溶剤の代わりに水を使った水系塗料に分類され、健康や環境への影響が比較的少ない塗料です。
無機質系下地の壁や天井に対して最も多く使用されています。
合成樹脂エマルションペイント(EP)は水が蒸発する際に、エマルション粒子が凝集・融着して連続した塗膜を形成します。
エマルションペイントの材料の構成比は商品によって様々であり、樹脂が半分を占めるもの、顔料が6〜7割のものなど幅が見られます。
□合成樹脂エマルションペイント(EP)の特徴
・水溶性であり水で薄めることができる
・溶剤系より安価
・不燃性であり、毒性が少なく、健康や環境に優しい
・ほぼ無臭
・塗りやすく、刷毛やローラーで簡単に使用できる
・溶剤系の塗料より接着性が弱く、耐水性や塗膜性能がやや劣り、はがれやすいのが欠点
□エマルションペイントに用いられる樹脂
エマルションペイントにはアクリル、アクリル・スチレン、ウレタン、フッ素、酢酸ビニル、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)などの樹脂が使用されており、最も多いのがアクリル系の樹脂になります。