ゲル化
□ゲル化とは
ゲル化とは、溶媒中に分散している高分子コロイドが液状の状態から固体に変化することを指します。
ゲル化は英語ではgelation、gelling、liveringなどと表されます。
塗料がゲル化するというのは、塗料が液状から固状又は準固状に変化することをいいます。
ゲル化すると、塗料は流動性が無くなり寒天状、ゼリー状になります。
一般に塗料がゲル化する原因としては、塗料の貯蔵期間が長かったり、貯蔵条件が悪く反応が起こってしまった場合などがあります。
塗料の貯蔵中に容器内でコンシステンシーが上昇して塗料がゼリー状になり、シンナーなどを加えビヒクルが溶けない状態となります。
塗料のゲル化を防ぐには、古いロット番号の物から使用して長く保管しないこと、極端に低温または高温の場所には貯蔵しないことなどの対策が有効です。
◆コンシステンシー
コンシステンシーとは、液体を変形するときに起こる力学的抵抗です。
液体の流動には、粘性流動、塑性流動、チキソトロピー、ダイラタンシーなどがあり、それぞれ抵抗の状態に違いがあります。
◆ビヒクル
塗料を構成する要素の中で、顔料以外の塗膜となる成分(主要素と副要素)を総称してビヒクル(展色材)といいます。
ビヒクルは顔料を塗料の中に均等に分散させる働きをします。
ビヒクルは液体であり、乾燥した樹脂固形分、不揮発分をビヒクルソリッドと言います。
◆ゲル
ゲルは分散系の一種で、ゾルのような液体分散媒のコロイドです。ジェルとも言われます。
ゲルは分散質の繋がりにより粘性を持つことで流動性がなくなり、全体的に固体状になったものです。