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シーリング材

シーリング材とは、建築物などの防水性・気密性を維持することを目的とする防水材です。水漏れしている穴を塞ぐ目的でも使用されます。

シーリング材の機能をより高めるために、シーリング材を充填する前にはプライマーの塗布を行います。

シーリングはコーキングとも呼ばれ、建築においてはほぼ同じ意味として捉えられています。

シーリング材は種類によっては上から塗料を塗り重ねることができないタイプもあるため注意が必要です。

 

□シーリング材とモジュラス

シーリング材の選定にはモジュラスも重要です。

◆モジュラスとは

モジュラスとは、ゴムなど弾性体に一定のひずみを与えた際に元の形に戻ろうとする力(応力)のことを指します。

50%のひずみを与えたときの応力を50%モジュラスと呼びます。単位はkgf/c㎡。

モジュラスが低いほど柔らかいシーリング材となります。

 

◆シーリング材のモジュラス分類

モジュラスの値は接着力と密接な関係にあります。

シーリング材は50%モジュラスにおけるモジュラス値により3段階に分けて表示されます。

・低モジュラス 2kgf/c㎡未満

・中モジュラス 2kgf/c㎡以上4kgf/c㎡未満

・高モジュラス 4kgf/c㎡以上

低モジュラスのシーリング材ほど幅の広い目地に使用されています。また窒素系サイディングの外壁の目地には低モジュラスのシーリング材が最適となります。

 

□シーリング材とブリード汚染

◆ブリード汚染とは

ブリードとは、シーリング材と塗膜が化学反応を起こすことで仕上げ面の塗膜が粘着性を持ち、ほこりや大気中の汚染物質を吸い付けて汚れてしまう現象です。

ブリード汚染は、シーリング材へ弾力を持たせるために配合されている可塑剤が、シーリング材→塗膜表面→周辺部分と移行することで起こります。

 

◆ノンブリードタイプのシーリング材

シーリング材にはブリード汚染が起きにくいタイプもあり、ノンブリードタイプ(NB型)と呼ばれています。

ノンブリードタイプのシーリング材は各メーカーから販売されているため、ブリード汚染が気になる場合はこちらのシーリング材の使用が望ましいです。

しかし上塗り塗料の種類によってはノンブリードタイプのシーリング材でもブリード汚染が起こることもあるため、シーリング材・上塗り塗料ともに慎重な選定が必要となります。

 

□シーリング材の種類(硬化型別)

シーリング材の種類としては1成分形と2成分形があります。

◆1成分形

・湿気硬化型…【主成分】シリコン系(脱オキシム形)、変性シリコン系、変性シリコン系(低モジュラス)、ポリサルファイド系、ポリウレタン系(ウレタン)などがある

・酸素硬化型…【主成分】変性ポリサルファイドなどがある

・乾燥硬化型…【主成分】エマルジョンタイプ(アクリル系、SBR系)、溶剤タイプ(プチルゴム系)などがある

・非硬化型…【主成分】油性コーキング系などがある

◆2成分形

・反応硬化型…【主成分】シリコン系、変性シリコン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系(ウレタン)、アクリルウレタン系などがある

 

 

□シーリング材の種類(成分別)

またシーリング材は成分の違いによりそれぞれ適性のある施工箇所があります。

シーリング材の適性に合わせて使い分けをすることで塗膜の強度や美観が増します。

 

◆アクリル系…硬化後に弾性体となります。湿った箇所にも使用可能です。新築時のALCパネルの目地に使われます。しかし耐久性がなく塗り替えの際にはほとんど使われません。

・使用箇所…ALC目地、サッシと壁の隙間、天井と壁の隙間、モルタル壁のクラック(ひび割れ)など

 

◆ウレタン系…硬化後にゴムのような弾力性を持ちます。コンクリート、スレートなどに対して汚染がないシーリング材です。最も耐久性があります。しかし紫外線に弱く、ほこりが付きやすく汚れやすいという欠点があるため、上から塗膜を被せます。

・使用箇所…コンクリート、ALC目地、石材スレート、木材、金属、柱と壁の隙間、配管やダクト周りの目地など

 

◆シリコン系…耐久性が高いのが特徴です。紫外線に強く、乾燥後はほこりも付きにくいため、そのまま仕上げ面として使用します。塗膜との密着性が弱いため、上から塗膜を被せる場合には使用しません。変性シリコンの場合は上から塗膜を被せることが可能です。

・使用箇所…窯業サイディング目地、木質パネル目地、アルミサッシ周り、金物周り、ALC目地、金属サイディング目地、金属屋根折板部・ハゼ部、大理石、モルタル、コンクリートガラス周り、陶磁器プラスチック石目地やタイル目地配管・ダクト周りの目地など

 

◆油性系…皮膜を形成しますが、内部は硬化しません。

・使用箇所…窓・ドアなどの枠、各種パネル及びボードの継ぎ目、屋根防水層の立ち上がりなど

 

◆ポリサルファイド系…硬化後にゴムのような弾力性を持ちます。耐久性が高いのが特徴です。

・使用箇所…サッシ、大理石、PCコンクリートガラスとサッシのグレージング、笠木のジョイント部、屋上シート防水下地、端末部目地、配管・ダクト周りの目地など

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