セメントフィラー
セメントフィラーのフィラーとは、下地のクラック(ひび割れ)や凹凸を埋めて下地を調整する機能をもった下地調整塗料ことで、セメント系の材料を使ったフィラーをセメントフィラーと呼びます。
建物に通常用いられているフィラーは主にセメントフィラーになります。
セメントフィラーは通常、性能を高めるために樹脂を混ぜています。樹脂セメント系フィラーとも呼ばれます。
この樹脂セメント系フィラーにカチオン帯電させた樹脂を混ぜたセメントフィラーはカチオンフィラーとも言われます。
◆カチオンとは
カオチンとは陽イオン(正の電荷を帯びた原子、原子団)のことを指します。金属イオンはすべてカオチンです。
反対に陰イオン(負の電荷を帯びた原子、原子団)はアニオンと言います。ハロゲンはすべてアニオンです。
コンクリートやモルタルなどのセメント系の素材は陰イオンを帯びています。
塗料にカオチンを添加して塗料自体に陽イオンの特性を持たせることで、磁石がプラスとマイナスで引き合うように、カチオンを添加した塗料と下地のコンクリートやモルタルは引き合い、より密着性が高まります。
□カオチンを添加したセメントフィラーの特徴
カオチンを添加したセメントフィラーは以下のような特徴があります。
・セメントの硬化を強める
・下地との密着性を高め、塗装剥がれを防止する
・セメント組成を密にすることで防水性能を向上させる
カオチンを添加したセメントフィラーはほとんど希釈しないタイプもありますが、通常は希釈するものが多いようです。
カオチンが添加されたセメントフィラーは強い下地となりますが、希釈しすぎるとカオチンが添加されていても弱い下地となってしまいます。
フィラーの性能を維持するためには必要以上に希釈せず、各メーカーの施工要領書で指定された範囲での希釈を行うことが大切です。