ホルムアルデヒド
□ホルムアルデヒドとは
ホルムアルデヒドとは有機化合物の一種で、刺激臭のある無色の気体です。またホルムアルデヒドは毒性の強い物質でもあります。
ホルムアルデヒドは水や有機溶剤に溶けやすく、37% 以上の水溶液はホルマリンと呼ばれます。
分子式はCH2Oで、酸化メチレンとも呼ばれます。またIUPAC命名法ではメタナールと表されています。フォーマルダハイドとも呼ばれます。
□ホルムアルデヒドを含む製品
ホルムアルデヒドは安価であることから消毒剤、接着剤、塗料、防腐剤、また様々な樹脂の原料として広く用いられています。
ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒドを含む製品を用いた家具や建築資材などから少しずつ室内に放散されます。
またホルムアルデヒドは移染(空気や水蒸気を通じて他のものに吸収されること)が起こりやすい物質でもあります。
□ホルムアルデヒドの人体に対する影響
ホルムアルデヒドの人体に対する影響としては、濃度により粘膜への刺激性を中心とした毒性があることが知られています。
またホルムアルデヒドはWHOの下部機関・国際がん研究機関により発癌性がある物質として警告されています。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の1つとしても知られています。
このホルムアルドに汚染された室内に人がいると、目や気道に刺激を感じたり、また高い濃度では呼吸困難を起すこともあります。
□空気中のホルムアルデヒド濃度(ppm)と症状
0.8ppm…臭いを感じる。
2.0~3.0ppm…眼・鼻・のどに軽い刺激を感じる。耐えられるのは3時間程度。
5.0ppm…のどに刺激を感じる。涙が出る。耐えられるのは10~30分程度。
15.0ppm…咳が出る。
20.0ppm…気道の深部に刺激を感じる。
□ホルムアルデヒドの中毒症状
・急性中毒…ホルムアルデヒドを吸入すると眼・鼻・のどが刺激され、くしゃみや咳、よだれ、涙が出るなどの症状が起きることがあります。さらに高濃度になると呼吸困難・肺浮腫といった症状を引き起こすこともあります。
・慢性中毒…慢性的に吸入や接触を続けることにより結膜炎、鼻咽喉炎、皮膚炎を起こすことがあります。
・皮膚接触…刺激性皮膚炎を起こすことがあります。
□ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒドの室内濃度については厚生労働省が平成12年に指針を示し、室内濃度0.08ppm以下(20~23度 30分平均値で100μg/m3以下)が望ましいとして目安を設けました。
また住宅の新築時などに要望すればホルムアルデヒドの室内濃度を確認できるようになっています。
この0.08ppmという数値は室内の測定を開始してから30分間の平均値であり、閉め切った部屋では濃度はさらに上昇する傾向にあります。また気温が高い時期は濃度が上昇しやすい傾向があります。
そのため新しい家具を購入した際や、住宅の新築・リフォーム後、また特に新築・リフォーム後の初めての夏には、普段以上にこまめな換気が大切になります。