ボード
ボードとは、サイディングボードなどの外壁材のことを指します。
◆サイディングボードとは
かつて日本の住宅では、外壁材といえば木版(下見板)張りがほとんどでした。しかし、 戦後の法整備にともない防火上の問題から、モルタル防火造りが多くなり、 最近ではより耐火性に優れたパネル壁材として「サイディングボード」が主流に なってきました。サイディングボードは①施工の手間がかからず、工期が短い ②コストが安いなどの理由から、現在ではハウスメーカーの標準仕様になり 大きな発展を遂げています。
◆サイディングボードの種類
窯業系・金属系・合成樹脂系 それぞれの特徴
日本では主に次の3つに大別され、それぞれ特徴を持っています。
住宅に使用されているサイディングボードの多くは窯業系サイディングボードです。
Ⅰ)窯業系サイディング
基材のセメントと繊維質材料を高温・高圧で成型したもので、色・柄などの パターンも豊富。軽量気泡コンクリート(ALC)も同様の製品。
Ⅱ)金属系サイディング
主な原料はカラー鉄板やアルミニウム合金で、窯業系に比べて 新築時よりも改装時に用いられることが多い。
Ⅲ)合成樹脂系サイディング
アメリカ・カナダでは40年以上の歴史を持ち、色落ちや変色が少なく、 酸性雨にも強く金属系のようにさびることもない反面、耐火性・耐衝撃性が 低く日本のような密集した住宅事情には適さない面もある。
◆窯業系サイディングボード
窯業系サイディングボードは、メーカーも表示しているように施工時より 5~7年”で表面の防水が劣化し始めます。
そのため防水メンテナンスを施すことにより 吸収率を一定以下に保ち、ボードの変形や割れの原因となる雨水の浸み込みを 予防する必要があります。
□サイディングボードの補修
◆サイディングボードの傷み具合をチェック
・目地(コーキング材)に隙間やひびがある…目地にひび割れや隙間ができると、その部分から水分が侵入し、外壁の内部が傷む場合があります。目地の隙間からサイディングボード自体に水が浸入することで、サイディングボードに反りや膨れがおきやすくなります。
・サイディングボードを触ると白い粉つく(チョーキング)…チョーキング現象が起きている場合、塗膜が劣化して外壁の防水効果が低下した状態になっています。窯業系サイディングの場合、塗膜の防水性が失われると外壁から雨水などが浸み込むようになります。
・サイディングボードに反りや膨らみがある…反りや膨らみはサイディングボードに水が浸み込むことで起こります。この状態は漏水が起きやすい状態と言えます。また冬季にはサイディングボードに浸透した水分が凍結して爆裂事故が起きたりといった事例もあります。
・水を弾かない
・色あせ、変色が起こっている
・塗膜(塗装の表面)にクラック(ひび割れ)剥がれ、膨れなどが目立つ
・落ちない汚れ、カビなどがある
上記のような症状がある場合は、傷みが大きくならないうちに補修を検討されると、長期的に見て補修にかかる費用も節約でき、また建物も長持ちします。
窯業系サイディングボードは、製造時の塗装については約9割が耐久年数6~8年となるアクリル系樹脂塗料を使用しています。
サイディングボードの塗装は見た目の美しさだけでなくボード自体を紫外線や雨水などから保護する目的も大きいため、定期的な塗り替えは必須となります。
塗り替えについては塗装業者に見積もりを依頼するなどして耐久性の高さとコストのバランスなどを考えてもらい、長期的な視野で計画的に行うことが大切と言えます。