モルタル外壁
□モルタル外壁とは
モルタル外壁とは、水、セメント、砂(細骨材)を原料として練り合わせたモルタルで施工した外壁のことです。
モルタル外壁自体の防水性能は低いため、外壁の塗装が防水の機能を果たしています。
そのため塗装が劣化してくると徐々に水分を吸収し、建物に様々な劣化を招きます。
まず、家の木材が水分を吸って伸縮したり反ることによりモルタル・コンクリート部にクラック(ひび割れ)が生じます。ひび割れは振動でも生じますが、このように外壁からの水分の侵入によっても生じます。
クラックから雨水などが浸入すると壁の内部の柱や鉄筋に腐食が起こり、放置すれば建物全体の強度が低下することにも繋がります。
□モルタル外壁を長持ちさせる方法
・高圧洗浄を念入りに行いカビや藻などを除去する。
・外壁の傷み方に合わせて最適な塗料を選ぶ。
・クラック(ひび割れ)がある場合は、隙間を念入りに埋める。
・塗料は薄め過ぎず、塗装の際は十分に重ね塗りを行う。
モルタル外壁は適切な補修を定期的に行うことが建物を長持ちさせる秘訣となります。
□モルタル外壁の特徴
◆モルタル外壁の利点
・サイディング外壁に比べると蓄熱しにくく夏の温度上昇を抑えられる
・継ぎ目が浮き出るなどの問題がない
・ペースト状であり使いやすい
◆モルタル外壁の欠点
・施工に時間がかかる
・コストがかかる
・施工するには熟練が必要
・重い
・クラックが生じやすい
モルタル外壁は以前は日本の外壁の主流でしたが、最近では 施工性が高くクラックの起きにくいサイディング外壁などが主流となっています。
新築については現在約70%がサイディング外壁で施工されています。
サイディング外壁は安価でデザイン性も良く、モルタル外壁より強度が強くクラックが生じることはほとんどありません。しかしサイディング外壁は目地の耐久性が低いという欠点があり、サイディングに傷みがなくても目地が先に傷んでしまい塗り替えを行うという場合も多くみられ、モルタル外壁もサイディング外壁も一長一短といったところです。
□モルタル外壁の模様
モルタル外壁は新築時など、上から塗料を吹き付けて様々な模様を付けて仕上げることがあります。
この模様の仕上げの種類により、塗り替えの際の手間なども変わってきます。
モルタル外壁の模様には以下のものがあります。
・吹きつけタイル仕上げ
吹き付けタイル仕上げのモルタル外壁は、表面は凸凹がすくなくつるつるしています。そのため塗り替えの際に必要となる塗料の量は比較的少なく済みます。作業としてもローラーで比較的楽に塗り替えることが可能です。
・ジョリパット仕上げ
ジョリパット仕上げのモルタル外壁は、表面には凸凹は少ないのですが、ザラザラしています。塗料の吸い込みがあるため、塗り替え時は吹きつけタイルより塗料の量が多く必要になります。
・リシン仕上げ
リシン仕上げのモルタル外壁は、砂壁状の外壁です。表面は砂状の粒があり粗いという特徴があります。塗料の吸い込みがあるため塗料の量は多く必要となります。クラック(ひび割れ)やカビもよく見受けられます。 塗り替え作業としては下地の吸い込みがあるため比較的時間がかかります。
・スタッコ仕上げ
スタッコ仕上げのモルタル外壁は、表面が粗く凸凹も多いため多量の塗料が必要になります。
吹きつけタイル仕上げと比較した場合、塗料の使用量は約3倍必要と言われています。
作業としても手間と時間がかかります。
壁面の凹部分にも塗料を行きわたらせる必要があり、塗料の濃度が濃いと作業が難しいため、ある程度塗料を希釈して調節します。
しかし塗料代と作業時間を節約するためにかなり塗料を薄めてしまう施工業者も中にはいるようです。
そのためスタッコ仕上げの外壁を塗り替える場合は、見積もり書の塗料の使用量にはある程度注意が必要とも言えます。