モルタル防水
□モルタル防水とは
モルタル防水とは、モルタルを主材料にし、防水剤などを混ぜて施工する防水層のことを指します。
モルタル防水工事では、防水剤とポリマーディスバージョンを混入したセメントモルタルを床や壁、天井などに施工して漏水を防止します。
モルタル防水工事の主な注意点としては、防水剤はについては性能が裏付けされているものを使用すること、ポリマーディスバージョンはJIS規格に順ずるものを用いること、また防水剤・ポリマーディスバージョンともに品質が変化しないように保管し安定期間内に使用することなどが挙げられます。
モルタル防水はセメント系防水の1種です。
◆セメント系防水とは
セメント系防水には、基成分にセメント類を用いるモルタル防水、ケイ酸質系塗布防水、ポリマーセメント系塗膜防水の3種類があります。
一般に地下防水構法および水槽類防水構法で施工します。
セメント系防水の下地は基本的にコンクリートに限定されています。
セメント系防水の性能はコンクリートの強度および表面状態などで決まる部分が大きいため、特にコンクリート打設後4週間以上経っていることや、コンクリートに凍害など脆くなっている部分がないこと、またコンクリートの厚さが所定の厚さであることなどが重要になります。
・ケイ酸質系塗布防水とは
ケイ酸質系塗布防水はセメント系防水の一種で、ケイ酸質系の塗布防水材を床、壁、天井などに施工することで漏水を防止します。
ケイ酸質系の塗布防水材はコンクリート内部に浸透し、水和結晶を生成することで隙間の多いコンクリートを緻密なコンクリートに変化させる効果があります。
・ポリマーセメント系塗膜防水とは
ポリマーセメント系塗膜防水はセメント系防水の一種で、ポリマーエマルションをセメントの水和反応により凝固・乾燥させ、弾性があるポリマーセメント系の塗膜防水材を床や壁、天井などに施工して漏水を防止します。
□モルタル防水の種別
モルタル防水工事に用いる防水層(モルタル防水)にはA種、B種、C種、D種の4種類があります。標準的な厚みは4種とも15~20mmとなっています。
・ A種は下塗り、上塗りの2工程です。下塗りにポリマーセメントモルタル、上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。
・ B種は下塗り、中塗り、上塗りの3工程です。下塗りにポリマーセメントモルタル、中塗りと上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。
・ C種は下塗り、上塗りの2工程です。下塗りと上塗りにポリマーセメントモルタルを用いる防水層です。
・ D種は下塗り、中塗り、上塗りの3工程です。下塗り、中塗り、上塗りにポリマーセメントモルタルを用いる防水層です。
□モルタル防水を施工する場所
モルタル防水は、鉄筋コンクリートの庇(ひさし)や地下などに施工されます。またバルコニーや共用廊下の防水にも用いられています。
庇にはA種、B種、C種のモルタル防水が、また地下にはB種、C種、D種のモルタル防水が適しています。