下塗り
□下塗りとは
塗装は下塗り、中塗り(上塗り1回目)、上塗りの3工程に分類できます。
下塗りとは塗装面と上塗り塗料との密着性を高めたり、塗装ムラを防ぐ役割をします。
下塗り塗料はプライマー、シーラー、フィラー、サーフェーサー、バインダー、プラサフなどと呼ばれるものがあります。
下塗り塗料は多種多様な上塗り塗料の性質に合わせる形で各メーカーからたくさんの種類が出されています
下塗りではまず最初に水洗い等での塗装面の清掃をおこないます。
その後、ひび割れ・欠損の修正などの下地調整、外壁の状態に合わせた下塗り塗料の塗布を行います。
適切な下地選びは塗装を長持ちさせるポイントであり、外壁塗装において重要な工程となります。
□下塗りの目的
・下塗りにより素地のひび割れ・欠損などを修正し、美しい塗装面を実現します。
・下塗りは素地を補強して仕上げ塗料の密着性を高め、耐久性を向上させます。
・下塗りにより素地の塗装ムラを抑え、美しい塗装面に仕上げます。
・下塗りの際に凹凸などの模様を作ることもあります。
□下塗りの注意点
・下塗り塗料は素地へ最初に塗る塗料であるため、雨上がりや湿気が多い状況では塗装工事を避けるなどの注意も必要です。
・下塗塗材には塗装面の状態や、パターン形成の有無などを考慮し適切な選択が必要です。
□主な下塗り塗料
下塗り塗料としては以下のようなものがあり、塗装面によって使用する下塗り塗料も変わってきます。
・プライマー…最初に素地に直接塗付する塗料。塗膜の密着性を高めます。鉄・金属部の錆を抑制するサビ止め塗料もプライマーになります。下塗り塗料を総称してプライマーと呼ぶ場合があります。
・シーラー…上塗り塗料との密着性を高める接着材のような機能を持ちます。浸透性シーラーは下地に吸い込ませるタイプの塗料です。モルタルなどの下地塗料に使われます。
・フィラー(下地調整材)…塗装前の下地素材面のひび割れや欠損などの段差を埋めたり、下地への吸い込みを抑えます。シーラーとフィラーの機能を合わせ持つ微弾性フィラーというものもあります。フィラーはサーフェーサーとも呼ばれます。またプライマーとフィラーの機能を合わせ持つものをプラサフと呼ぶこともあります。
・バインダー…吸い込みのない素地に対し、上塗り塗料を密着させるための下塗塗料です。
□仕上がりには下塗りが大事
下塗り塗料の性能が悪い場合や、下塗り塗料の選択を誤った場合には、たとえ上塗り塗料の性能が良くても十分な上塗り塗料の性能を発揮できないことがあります。
上塗り塗料と下塗り塗料が一緒に剥がれたり、また上塗り塗料だけが剥がれるなどということにもつながります。
下塗りは上塗りと同じくらいに大切な工程になっています。
□まとめ
丈夫で美しい外壁塗装を行うためには下塗りが重要になります。時間は掛かりますがこの工程をきっちり行うことで塗装の耐久性や美観にも違いが出てきます。素材や状態に合わない下塗り塗料ではうまく効果を発揮できない場合もあるため、素材に合わせた下塗り塗料の選定が必要となります。数社に見積もりを依頼するなどして内容を見比べてみるのも良さそうですね。