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含水率(がんすいりつ)

□含水率とは
・含水率とは、物質に含まれる水分の割合のことです。含水率は通常は百分率(%)で表されます。
一般的に、単に含水率と呼ぶ場合は重量基準の湿潤含水率を指します。
しかし木材の含水率については重量基準の乾量基準についても含水率と呼ばれています。

◆含水率の種類
・重量基準含水率…湿潤基準のものと乾量基準のものがあります。
湿潤基準=水分の重量/水分の重量+固形分の重量
乾量基準=水分の重量/固形分の重量(含水比と呼ばれる)
・堆積基準含水率

 

□塗装と含水率
・塗装の際は下地の表層10~20mm程度の深さまでの水分量が重要であり、この部分の含水率を計測して塗装可能かどうかを判断します。
塗装可能な含水率の限界地は下地の種類によって異なります。
塗装の仕上がりや耐久性は、下地の含水率に左右されるため、適した含水率に調整するための素地調整や下地調整が重要になります。

◆コンクリート、モルタルの含水率について
・コンクリートやモルタルの外壁の場合、セメントの硬化に必要な水分以外は内部に残り、徐々に外部に放出されます。
コンクリートやモルタルの外壁は、表面は乾燥していても内部には水分を抱えている状態であり、水分量の高い状態で塗装を行うと塗膜に変色や色むらがでる可能性があります。また付着性が弱くなり塗膜にクラックや剥がれが生じやすくなります。
そのため含水率、アルカリ度を適切に管理するための素地調整・下地調整を行う必要があります。
例としては含水率は10%以下などとなります。

◆木材の含水率について
・木材やコンクリートなどの外壁の素地調整・下地調整の際は、塗装面が仕上げ塗材の種類に応じて適応できる条件内の含水率・アルカリ度に管理されている必要があります。例としては、含水率10%以下、pH9以下などの条件があります。
・木材については、一般に最も強度が高いのが含水率10~13%のときであり、含水率20%以上になると強度が落ちます。含水率が増えると腐りやすくなったり、白アリが発生しやすくなったりします。

◆ALCパネルの含水率について
ALCパネルなどは含水率25%以下が理想であると言われています。
含水率が多すぎる状態で塗装を行うと凍害などによる下地の損傷も受けやすくなるため注意が必要です。

 

□下地の含水率を測る方法
・下地の水分を現場で測定できるものに高周波容量式水分計という測定器があります。
高周波容量式水分計は比較的安価であるため、コンクリートやモルタルなどの含水率を計測する際に使用されています。
高周波容量式水分計は、無機材料が水分を含むとその水分量に従い電気伝導率が変化するという法則をもとにした測定器です。
下地の種類、厚み、温度などの条件を設定して電極部を下地表面に当てると、測定器が自動的に表面の含水量を計算します。

・その他、水分を測定できるものとしては、力一ル・フィッシャー水分滴定法という方法があります。
力一ル・フィッシャー水分滴定法コンクリートを大気中で加熱し、中から出てきた水分を薬品に溶かし電気を流すと、流れる電流の量が溶けた水の量に比例するという法則をもとにした測定法です。

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