塗布量(とふりょう)
□塗布量(とふりょう)とは
塗付量とは、その塗料の性能を十分に発揮するためにはどの程度の量の塗布が必要か、塗料メーカーから示された基準の量になります。メーカー標準塗付量などとも言います。
この塗付量は標準的なものになるため、下地が吸い込みの多い材質であったり、凹凸が多い場合など、状況によっても変わってきます。
・理論塗布量…塗料を無希釈で塗布すると仮定して、全くロスがない場合の㎡あたりの塗布量を指します。
・実塗布量…実際の塗装の際は、ハケ塗り、吹き付け塗装などの塗装方法によってロスを考慮します。
塗膜の耐久性や紫外線防止などの様々な性能は、塗膜に適正な厚みを持たせることで初めて理論値に近付きます。
塗料を希釈すれば塗ればその分塗膜は薄くなるため、規定の膜厚(塗料の厚み)に仕上げるには工程数だけでなく希釈率なども考慮する必要があります。
□適正な塗布量
メーカーの出しているカタログにはメーカーの標準施工仕様が記載されており、こちらにメーカーの標準塗付量についての記載もあります。
カタログについては見積もりを依頼した施工業者などから入手可能です。
◆適正とされる塗布量の例
①下塗りを微弾性フィラーで薄塗りする場合
ウールローラーを用いて1回塗装→1㎡当たり0.5~1.0kgが適正な塗布量とされる
②下塗りを微弾性フィラーで厚塗りする場合
砂骨ローラーを用いて1回塗装→1㎡当たり0.8~1.5kgが適正な塗布量とされる
③中塗り、上塗りを水系シリコン樹脂塗料で塗装する場合
ウールローラーを用いて2回塗装→1平方メートル当たり、1回につき0.3~0.35kgが適正な塗布量とされる
※下地の種類、表面の凹凸の状態により異なるため適正とされる塗布量には幅があります。
□塗料の必要重量、必要缶数の計算方法
◆【使用する塗料の必要重量】=【メーカー標準塗付量】×【塗装する面積】
延べ床30坪の外壁(約150平方メートル)の場合の例ではだいたい以下のようになります。
①の場合:標準塗布量0.75㎡×150㎡=必要数量113kg
②の場合:標準塗布量1.15㎡×150㎡=必要数量173kg
③の場合:標準塗布量0.33㎡×150㎡=必要数量49kg
◆【使用する塗料の必要缶数】=【使用する塗料の必要重量】/【塗料1缶の容量】
①の場合:必要数量 113kg÷16kg/1缶の容量=7缶
②の場合:必要数量 173kg÷16kg/1缶の容量=11缶
③の場合:必要数量 49 kg÷16kg/1缶の容量=3缶
□塗料(下地材)の使用缶数の計算方法
まず塗料一缶で塗れる面積を計算します。
◆1缶で塗れる面積=容量/標準塗布量
上の結果を元に、塗装を行う外壁に対して何缶必要になるかを計算します。
◆必要な缶数=塗装を行う外壁の面積/1缶で塗れる面積