塗装間隔、放置時間、間隔時間、塗り重ね乾燥時間
□塗装間隔、放置時間、間隔時間、塗り重ね乾燥時間とは
間隔時間とは、吹き付け塗装で一つの工程が終わり、次の塗装までにかかる時間を言います。
通常、~以上(~以内)と表現します。
間隔時間は塗装間隔、放置時間、間隔時間、塗り重ね乾燥時間などとも呼ばれます。
塗装とは幾層も塗料を塗り重ねていく作業であり、前の作業と次の作業との間には、適切な乾燥時間(適正乾燥時間)を持つ必要があります。
外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りと塗り重ねるのが一般的で、状況により下塗りや上塗りの回数を増やしたりなど更に工程が増える場合もありますが、適正な間隔時間を持たなければ塗膜に適切な厚みを持たせることができません。
JASS18塗装工事では放置時間、JASS23吹付け工事では間隔時間で工程内・工程間・最終養生の3種類の記載があります。
・JASSとは…日本建築学会の建築工事標準仕様書のことで、Japanese Architectural Standard Specificationの略称です。各種建築材料および施工基準に関する仕様を定めています。
□適正乾燥時間
塗料の適正乾燥時間は数時間になります。基本的に4時間ほどの場合が多いようです。
塗料は一般的に温度が高い方が乾きやすくなります。また防水材料は乾きにくいという性質があります。
このように塗料によって適正乾燥時間には幅が出てきます。塗料の適正乾燥時間は各メーカーが定めています。
◆適正乾燥時間の具体例
・水性シリコンエポサーフ(日本ペイント:下塗材)…適正乾燥時間は4時間(23度・湿度50%の時)。
・ガイナ(日進産業:主材・遮熱塗料)…適正乾燥時間は夏場が2時間、冬場が4時間。
・Prism-NB(ハマタイト:シーリング材・防水材)…適正乾燥時間は5.5時間
□乾燥時間のプロセスについて
乾燥時間のプロセスには指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥、完全乾燥の4段階があります。
◆指触乾燥…塗装面に指で軽く触れた際、指に塗料が付かない程度の乾燥状況を指します。この状態では塗り重ねに不安があります。
◆半硬化乾燥…塗装面を静かに軽く擦った際、塗装面に擦り跡が付かない程度の乾燥状況を指します。この状態であれば塗り重ね塗りが可能です。
◆硬化乾燥…塗装面を強く押した際、指紋による凹みが付かない状況で、塗膜の動きが感じられない乾燥状況を指します。また塗装面を繰り返し急速に擦っても塗装面に擦り跡がつかない程度の乾燥状況を指します。
◆完全乾燥
完全乾燥とは、塗膜内部で起こっている硬化のための反応が全て終了した状態です。
指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥までは感覚的に把握できますが、完全乾燥は感覚的に確かめることができません。
完全乾燥は、塗装工事から1~2か月の期間が必要となります。
この期間はもちろん雨などの水に濡れることは全く問題ありませんが、完全乾燥が終わるまでの塗膜は特に薬品に対し脆い状態です。掃除の際などには注意が必要な期間となります。