本塗装(上塗り)
□本塗装(上塗り)とは
塗装は下塗り・中塗り(上塗り1回目)・上塗り(本塗装)の3工程に分類できます。
上塗り(本塗装)は塗装の一番最後に行う工程で、主に見栄えと耐候性を向上させる意味があります。
上塗り(本塗装)に使われる塗料は仕上げ塗料、上塗り塗料と呼ばれることもあります。
外壁の塗料として主に注目されるのはこの上塗り(本塗装)に使われる塗料になります。
□本塗装(上塗り)の意味
上塗り(本塗装)では中塗りと同じ塗料を塗ることも多く、塗装の仕上げとして塗りムラをなくし塗膜に厚みをつけ、美観性と耐候性を高めます。
下塗りを十分に行い、上塗りを規定内の希釈率により2度塗り重ねることで初めて塗料の持つ耐久性の確保ができます。
□上塗り塗料の特徴
本塗装(上塗り)に使われる上塗り塗料は各メーカーから様々な材質の塗料が出ています。
塗料の選択に際して最も大事な点は、耐久性と意匠性(デザイン性)ですが、耐久性を左右するのが塗料に含まれている樹脂になります。
仕上げ塗料に使用される樹脂にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などがあり、それぞれ特徴があります。
□主な上塗り塗料
・アクリル樹脂塗料…新築の際に多く使われます。耐久年数の目安は6年~8年程度。
・ウレタン樹脂塗料…塗る部位を選ばない万能な塗料とも言われています。耐久性アクリル塗料よりもやや上がり、耐久年数の目安は8年~10年程度となっています。
・シリコン樹脂塗料…耐久性とコストのバランスがよく、現在外壁の塗り替えで最も多く使われている塗料です。弾性効果もあります。耐久年数の目安は10年~13年程度となります。
・フッソ樹脂塗料…耐久性が高く優れた塗料ですが、現状は他の塗料よりコストが高めです。しかし耐久性が高いため、長い目で見ると安く済む場合もあります。耐久年数の目安は15年~20年と言われています。
他に光触媒塗料など様々な上塗り塗料があります。
□特殊な付加価値を持つ上塗り塗料
また上塗り塗料には以下のようななど付加価値を持つ機能性の高い塗料も出てきています。
・防カビ塗料…カビの発生を防ぐ
・低汚染型塗料…汚れをつきにくくする
・透湿型塗料…防水性を保ちながら湿気と空気を通す
・遮熱塗料…太陽光による温度上昇を抑える
□まとめ
上塗り塗料には多種多様な商品があります。機能性が充実したタイプの上塗り塗料もあり、立地条件や求める付加価値に応じて選ぶことが可能です。
上塗り塗料の性能を十分に発揮するためには、下塗り、中塗り、上塗り(本塗装)の3工程をしっかり行う必要があります。上塗り塗料の性能だけでなく下塗り塗料にも気を配る必要があります。