素地調整、素地ごしらえ、下地調整
□素地調整、素地ごしらえ、下地調整とは
素地調整・素地ごしらえ・下地調整とは、塗装の際に塗装対象となる面を整える工程のことを指します。
塗装の仕上がりや塗膜の耐久性を考慮して整えます。
素地調整・素地ごしらえ・下地調整の工程は、素地と塗料の密着性を高めたり塗料の効果を最大限に引き出すためのきわめて重要な工程となります。
この工程が不十分であると、塗膜劣化異常や耐久性の低下をきたすことにもなります。
・素地調整…素地面を整え、素地面の平滑性を向上させる面の調整が中心となります。アルカリ度や含水率なども考慮します。
・素地ごしらえ…既存の素地の汚れ、塗膜の膨れや浮きを除去する工程です。素地ごしらえまでで耐久性の70%程度が決まるとも言われる大事な工程になります。
・下地調整…この工程は下地と仕上げ材の密着性を高める役割と、下地の割れ・凹凸・傷などを調整する役割があります。劣化塗膜のケレン掛けや段差の修正なども該当します。下地の劣化度により調整の程度も変わるため適切な判断が必要になります。
塗り替えの場合には素地ごしらえと下地調整が重視されます。
□素地調整、素地ごしらえ、下地調整で具体的に行われること
付着物の除去、シーラー塗り(下塗り)、パテかい、パテ付け、セメントフィラー全面地付け、目地の処理など行われます。
施工の際の確認項目としては、割れ・破損・浮き、不陸、目違い、不純物の付着、下地の強度、下地の乾燥、金物の防錆などがあります。
◆木材の素地調整
木材の材面の平坦化(素地研磨)、汚れの除去、やにおさえ、穴埋めなどを行います。
◆金属の素地調整
錆の除去(ケレン掛け)、脱脂・汚れの除去などを行います。
◆モルタル・コンクリートの素地調整
高圧洗浄による清掃、水分やアルカリ分の調整、よごれの除去、フィラー処理などの調整や、巣穴・豆板、不陸、目違い、欠損、クラック(ひび割れ)、鉄筋爆裂部、などへの調整を行います。
□まとめ
上塗りに良い塗料を使用しても、この素地調整・素地ごしらえ・下地調整の工程を疎かにすると仕上げ塗料の性能を十分に引き出せない場合もあります。
施工の際は、工程の進行状況を写真で確認できるよう依頼することが可能なこともあります。気になる場合は施工業者に相談されるとよいでしょう。