結露現象(けつろげんしょう)
□結露現象(けつろげんしょう)とは
結露現象(けつろげんしょう)とは、物質の表面や内部で空気中の水蒸気が凝縮する現象のことを指します。
結露には、目に見えている結露(表面結露)と建物の内部で起こる結露(内部結露)の2種類があります。
◆表面結露
一般に結露と言う場合、表面結露を指します。
冷蔵庫から出した物の表面に水滴が表れたり、冬場の窓ガラス表面やアルミサッシに水滴が発生したりというものが表面結露になります。
表面結露対策としては、室内の水蒸気量を減らす方法、表面温度を上げるという方法があります。
断熱材が有効であり、断熱性能の高い複層ガラスや断熱サッシなどを用いることで軽快します。
また軽量鉄骨やRCなどの場合、結露の発生しやすい熱橋部(ヒートブリッジ)では、断熱補強を行なう必要があります。
◆内部結露
・建物の室内側に防湿層がなく、室内で発生した水蒸気が壁の中に侵入することで、建物内部から発生する結露が内部結露です。
畳をめくると畳の裏面と床が湿気でべたべたしている状態や、押入の床や壁のクロスからかびが生えたりするものが内部結露と呼ばれます。
エアコンの普及により冬季・夏季の両方で起こるようになってきています。
内部結露は、発生量が少なければ結露しても乾くため問題とはならない場合もありますが、発生量が多い場合に長期間放置しておくと建物の寿命を大きく縮める原因ともなるため注意が必要です。
建物の断熱材に防湿層などが適切に施されていれば、室内の水蒸気量を減らすことができ内部結露の危険性を下げることができます。
□冬季・夏季の結露現象の違い
◆冬季の結露現象
冬場に室内の水蒸気の量が多い場合に発生します。
冬季は外気の湿度が少ないため、換気を行い室内の水蒸気量を減らすことが結露対策として有効です。
また冬季は室内を暖房することで建物内部の表面温度が上昇して結露防止になります。しかし、石油ファンヒーターやガスファンヒーターのような暖房時に水蒸気を大量に発生する暖房方式は結露をより発生させることとなるため、ヒーターを使用する場合はFF式などが望まれます。
◆夏季の結露現象
夏場にエアコンがよく効いた部屋の冷たいものに高温多湿な外の空気が接触することで発生します。
夏の結露では湿度の高い外気が問題となるため、換気は逆効果ともなります。
冷房の設定温度を上げて建物内部の表面温度が上昇させることや、除湿機や除湿剤で室内の除湿を行い水蒸気量を減らす対策が効果的です。夏場の結露は壁の外部の断熱材にも防湿膜を設置することで、ある程度避けることが可能です。