複層(ふくそう)
外壁用の塗料には、大きく分けて単層型、複層型に区別されます。
塗装では単層型でも複層型でも下塗り・中塗り(主材塗り)・上塗り(本塗装)の3工程である点は変わりません。
複層型とは、中塗りとしての主材の上に色合いのある上塗り材をコートして塗膜を完成させるものを一般的に呼んでいます。
これに対し複層弾性は、中塗り(主材)と上塗りは別の塗料で塗装します。
複層弾性塗材は中塗りは意匠性、高いクラック追従性能付与、上塗りは耐候性や美粧性に考慮した種々の上塗り塗料を選択できるのが特徴ですが工程が多くなるのが難点です。
□複層仕上塗材
◆吹き付けタイル
主に合成樹脂などの結合材と、けい砂・寒水石・軽量骨材などが主原料である複層仕上塗材です。
アクリル、セメント系タイル、シリカタイル、エポキシタイル等の種類があります。
模様としては凹凸模様、ゆず肌模様、クレーター模様などのパターンがあります。
上塗り材として使われるトップコートはたくさんの種類から選択可能です。
◆弾性タイル
吹き付けタイルのなかで、主材・上塗り材にさらに弾力性を持たせたものになります。
吹き付けタイルよりクラック追従性が高く、防水性も高まります。
ただし弾性タイルの防水性は、壁面内部の水分も遮断してしまい外に逃がさないため、壁面に漏水や結露がある場合、壁と塗膜の間に水分が溜まり塗膜が膨らむ事があります。
弾性タイルの上塗り材は、弾性タイプのものに限られます。
◆石材調仕上塗材
石材調仕上塗材は、目地割した目地棒を貼り付けて石材調の主材吹き付けを行います。
吹き付け後に目地棒を取外すと、石張りしたように見えるという塗装方法です。
1段目地・2段目地、単色・2色吹き、上塗り材として艶有トップコートを使用するかしないかなど様々な選択が可能です。
□トップコート材
トップコート材とは、いわゆる色付けのみの塗料です。
トップコート材はまた、複層仕上塗材の上塗り材として使用するほか、サイディングや鋼板など平坦な面に対して平滑な仕上げとして用います。
トップコート材は下記のような点の別で多種多様な製品が出されています。
・水系、弱溶剤系、溶剤系
・ビヒクルの種類(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素など)
・艶有、艶消
※ビヒクル…展色剤のこと。絵の具や塗料などに配合されている顔料を均等に分散させ、付着させる媒体となる液状成分のことを指します。