透湿性(とうしつせい)
□透湿性(とうしつせい)とは
透湿性とは、雨水は通さずに湿気のみを通貨させる性質のことを指します。
透湿度の基準は素材1㎡あたり24時間に何グラムの水分を透過させたかで示され、g/㎡=24hrという単位で表示されます。
□透湿性のある塗料の仕組み
・液体である水と、気体である湿気(大気中の水蒸気)の粒子では分子の大きさが違います。
透湿性塗料とはこの分子の大きさの違いを利用して、塗膜内部に粒子の小さい湿気を通過させ、尚且つ粒子の大きい水は遮断するという機能をもった塗料です。また炭酸ガス(二酸化炭素)も遮断します。
□透湿性のある塗料の効果
透湿性塗料は外壁の湿気を徐々に抜く働きをし、塗装した塗膜に膨れや剥がれが生じにくくなるなど湿気の影響を抑制します。
透湿性のある塗料は、建材の腐食や建物の結露を防ぐため、内部結露には透湿性の高い塗料の使用が効果的なこともあります。
また軒天井、上げ裏、内部天井の大部分は湿気が多いため、透湿性のある塗料の使用が絶対条件ともなります。
湿気は建物の大敵であるため、透湿性は塗料選びの重要なポイントとも言えます。
□防水性と透湿性
外壁に塗装をする場合、透湿性を持たない防水性能のみの塗料を塗装すると、外壁の外側だけでなく内部から発生する湿気も外に逃がすことができなくなり結果的に水蒸気が塗膜を内側から押し、塗膜の膨れや剥がれを引き起こしてしまいます。
さらに、また内部結露の原因ともなり、その影響でカビが発生してシックハウス症候群の原因となったり、建物に腐食が起こることもあります。
そこで外部からの水の浸入を防ぐ防水性を保ちつつ、内部の湿気は外に逃がすという透湿性のある塗料が開発されました。
窯業系サイディング外壁などは防水塗料がタブーと言われていた時期がありますが、現在は透湿性のある防水塗料での塗装が適しているとされているようです。塗料の透湿性は住む人の健康面や建物を長持ちさせるという面からも大切な機能であると言えます。