養生
□養生とは
塗装工事における養生とは、シート、マスキングテープなどで塗装面以外を多い、余分な箇所への塗料の付着を防ぐことを指します。
マスキングとほぼ同義ですが、厳密には区別されることもあります。
吹き付け塗装の場合は塗料が霧状になって飛ぶため、広範囲に養生が必要な場合もあります。
□養生に使われるもの
養生にはビニールシート、養生テープ(マスキングテープ)が使用されます。
養生の際に使われる養生テープ(マスキングテープ)には、塗膜面を傷めないように原則として粘着力の弱いテープを用います。またテープとビニールがセットになっているロールマスカーもよく使用されます。
□養生の注意点
・養生の主な注意点
養生は塗装面以外の面を保護するため、塗装前に確実に行っておく必要があります。
また養生は塗料が乾いた後に取り外すと塗料が一緒にはがれ落ちる場合があるため、原則として塗装が乾ききる前に取り外す必要があります。
・広範囲に養生を施す際の注意点
吹き付け塗装の場合は塗料が霧状になって飛ぶため、周囲の植木や自動車などへの塗料の付着を防ぐため、広範囲を養生で覆うことがあります。
長い間植木に養生を被せたままにしておくと、蒸し風呂のような状態になり、呼吸ができずに植木が枯れてしまうことは少なくないようです。
自動車の場合も、長い間養生で覆うと車体塗装が変色するといった例もあるようです。
そのため養生は塗装後速やかに外すことが原則となっています。
・その他の注意点
また養生を原因とする一酸化炭素中毒や異常着火などの事故もあるため、特にマンションなど外壁塗装工事の際の養生には注意が必要になります。
□養生による事故例
養生シートで給気口を覆っている際、ガス式の湯沸し器などの器具を使用すると、内部にガスが溜まり異常着火する恐れがあります。
また養生シートで排気口を覆った状態でガス式の風呂釜を使用すると、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒になる恐れもあります。
保安院によると、養生が原因で起きた事故は1986年から現在までに十数件あり、一酸化炭素中毒になどで死亡者も出ています。
現在では塗装工事の際は給排気口を塞がないようにしていることも多いようですが、このような事故例があるということは頭に入れておき、施工業者に依頼する際も徹底してもらうとよいでしょう。
養生は塗装工事には必要な工程ですので、念のためこうした注意点を頭に入れておくと安心です。