VOC
□VOCとは
・VOCとは揮発性有機化合物の略称です。
揮発性有機化合物とは常温・常圧の状態で揮発する有機化学物質の総称になります。
VOCはVolatile Organic Compoundsの頭文字をとったもので、Volatileとは「揮発性」、Organicとは「有機物」、Compoundsとは「化合物」という意味があります。
VOCは独特の臭いがあることでも知られています。
・VOCである代表的な物質としては、ホルムアルデヒド、クロルピリホス、パラジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ジクロロメタンなどがあります。
・VOCは溶剤や燃料として重要な物質であり、様々な場面で広く用いられています。
塗料、印刷インキ、接着剤、ガソリン、シンナー、洗浄剤などにも含まれています。
□VOCの害
・VOCは環境中へ放出されると公害や様々な健康被害を引き起こします。
VOCの中でもホルムアルデヒドはシックハウス症候群や化学物質過敏症の原因の1つとも言われています。
・またVOCは、太陽光線を受けて光化学反応を起こすと光化学オキシダントになります。
この光化学オキシダントは大気汚染物質であり光化学スモッグの原因となるため、2004年の改正大気汚染防止法により主要な排出施設への規制が始まりました。
VOC排出量としては、塗料、洗浄剤、接着剤、インキからの排出量が全体の約75%を占めています。
VOCは塗料を多く扱う業種からの排出が多くなっています。
□総揮発性有機化合物(TVOC)
世界保健機関(WHO)では、VOCは以下のように定義されています。
また以下を総称して総揮発性有機化合物(TVOC)とも言います。
・VVOC(高揮発性有機化合物、または超揮発性有機化合物とも)
プロパン、ブタン、塩化メチル、ホルムアルデヒド(VOCsとして区別される場合もある)など
・VOC(揮発性有機化合物)
ホルムアルデヒド、トルエン、アセトン、エタノールなど
・SVOC(準揮発性有機化合物、または半揮発性有機化合物とも)
殺虫剤(DDT、クロルデン)、可塑剤((フタル酸化合物)、難燃剤(PCB, PBB)
・POM(粒子状有機化合物、または粒子状有機物とも)